エピダヴロスのティモテオス制作の女神三像 |
Ακρωτήρια του Ναού του Ασκληπιού
The Akroteria of the Temple of Asklepios
アテネ国立考古学博物館
古代彫刻家ティモテオスはエピダヴロスのアスクレピオス神殿のアクロテリオンの女神三像の制作しました。紀元前380年ごろの二制作された作品はアテネ国立考古学博物館にあります。材料はペンデリやm大理石です。これらはオリジナルですが、古いので破損が大きいです。
いやぁ、、感動しました。その三体の中にアウラー女神像と思われるものがあったりからです。アウラーは現代ギリシャ語でアヴラで微風という意味があります。その言葉以上のものはありません。
しか~し、アウラーはラテン語ではアウラ、そして英語になってオーラとなリ、その意味も拡大しました。
神殿の屋根の中央には勝利の女神ニケ像があって、両端に女神或いはニンフ像です。
この二つはネライーデス或いはアウラエ(アウラーとエオス)と思われます。
アクロテリィオンとは
ギリシャ古代建築の屋根の上の台座のことのようで、現在ではそこにおく彫刻類のこともいうそうです。ギリシャ語ではアクロティリオで複数形でアクロティリアと言います。
英語ではアクロテリオンですが、アテネ考古学博物館の説明書きには、アクロテリアとあったので、英語の複数形も同じアクロテリアなのだろうと思いました。辞書になかったのですが、ネットで調べていたら、英語のアクロテリオンの複数形はアクロテリアなのだろうと思いました。 そういう細かいことも調べていたら、、、なんだか、翻訳とか、、苦手だなぁと思いました。
そして日本語では、アクロテリオンとありました。日本語でこの言葉が普及しているわけでもないので、どうしたら良いのか、細かい点で悩んでしまいます。日本語は複数形がないから、これでいいかなと思います。
勝利の女神ニケ像
翼をつけたニケ女神が右手に一羽のヤマウズラを抱えて舞い降りるところを表現しています。ヤマウズラは英語だとパートリッジで、ギリシャ語でペルディカです。
このヤマウズラという鳥はアスクレピオスの治療回復の象徴なのです。
両端の女神二体
この女神像の説明書きにはネライーデス、或いはアウラエとありました。
ネライーデスはニンフですが、その中には女神と呼ばれていることがあります。
エーゲ海に住む海の老人と呼ばれるのがネーレウス海神です。その妻はドリス女神で、オケアノスの娘で、美の女神でもあります。この夫婦の間に生まれた50柱の女神或いはニンフたちをネライーデスと言います。
アウラエはアウラーの古代の複数形なので、女神が二柱ということになります。この女神たちは古代彫刻家のティモテオスの時代のギリシャ神話では、タイタン族のオケアノス(オーシャン)の娘たちで、早朝の清涼な風の女神たちで、アウラーとエオスといいます。
アウラーは、微風、涼風、そよ風との女神です。ラテン語ではアウラ、英語でオーラです。
エオス(イオス)は、夜明け、朝とともに東方からやってくるばら色の指をした女神です。ラテン語でアウロラで、英語でオーロラになるようです。
この女神像二体はアウラエではないかと思います。
現代ギリシャ語でアヴラで微風です。英語だとオーラです。
オーラの語源はアウラーです。
新英和中辞典 第6版 (研究社)によると
aura(オーラ)
複数形 auras aurae auri
複数形がaurae auriがあるので、ギリシャ語源とわかりました。
意味 1 (物体から放散する)発散物,発気.
2 [通例単数形で] (独特な)雰囲気,気配
3 (人体の周りに取り巻くのが見える人がいるという)霊気,オーラ
アウラー女神とエオス女神の登場する作品
ホメロス(紀元前8世紀後半頃)のオデュセウスではオケアノス(オーシャン)というタイタン族の神の娘たちとして、アイスキュロス(紀元前525年 - 紀元前456年)のプロメテウスにでもそのように取り上げています。
ただ日本語訳になると夜明けとともにやってくる清涼の風の意味で訳され、「女神たち」の言葉は訳されません。ギリシャ語だと言葉の意味と女神の名前が同じなのです。
たとえばニケだって、現代ギリシャ語でニキは勝利という意味と一致しているので、勝利がやってくるといえばニケ女神が来たことになるのです。
ローマ時代以降のアウラー女神とエオス女神の話がありますが、西暦5世紀あたりのギリシャ人ノンノスのディオニシアカにタイタン族のアウラー女神が登場しますが、この時代になると神話というよりも、古代というより、昨日という感じがしてしまいます。
西暦5世紀のノンノスの創作
この話の中のアウラー女神はアルテミス女神と狩猟を競い、同じく処女としていた女神同士でしたが、ある日アウラー女神は「あのようなアルテミス女神の体を見れば、色気が会って処女とは思えない!」と憎まれ口をたたきました。アルテミス女神は怒ってしまいます。復讐の女神ネメシスのその裁きを依頼します。
その後アフロディテーテー女神によって、ディオニソス酒神がアウラー女神に恋をするようにしかけてます。ディニソス酒神と関係によって双子を産むことになります。
そのとき気が狂ったアウラー女神は最初に産んだ赤ん坊を放り投げて殺します。次に産まれた赤子は放り投げようとしたときアルテミス女神がそれを受け取ります。
天界で見ていたゼウス大神は、このように狂ってしまったアウラー女神をかわいそう思って、微風に変えたというのです。
でも微風って、古代はアウラーで、オデュセウスの四巻561段には無人格のアウラー(微風)として登場し、日本語でも英語でも、アウラーは微風として訳されていています。
またアイスキュロスのプロメテウスにも登場しますが、同じような感じです。
エオス女神についてはヘシオドスの神統記ではハイぺリオン神の娘として出てきます。
その後の神話もいろいろあます。
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↓lemonodasosさんはちゃんと糸と針で縫合だったんですね。私は20cmあまりもホッチキスでとめてあったんですよ!
オーラのあるように見える人は見える!だけで、目でだまされます。
心の微風を吹かせることこそ目に見えないオーラです。
これはヨーロッパ文学の核となっています。