古代アゴラのヘーパイストス神殿 |
Ναός Ηφαίστου στην Αρχαία Αγορά
Temple of Hephaistos in Ancient Agora
ヘーパイストス神殿の外観はほぼ古代の姿のまま残っています。
この神殿は紀元前449年着工され紀元前415年完成したと言われていおります。
古代アゴラのコロノスの丘の上に建設されました。
火と鍛冶の神であるへーパイストス神殿の周辺には陶芸、金属加工などの職人たちが住んでいたようです。
この神殿はテシオン(テセウス神殿)とも呼ばれたこともありましたが、古代の碑文の発見によりヘーパイストス神殿であることが裏付けられたのでした。
なぜテシオン或いはテシオと呼ばれたのか?
古代アテナイ(古代アテネの複数形)であるキモン(紀元前519-449)という貴族で当時の司令官がいました。彼の父はミルティアディスという将軍でペルシア人とのマラトンの戦いで勝利に導いた人物でありました。
この父子の祖先はアテネ王テセウスでありました。神話で有名ですが、テセウスは実在していたようであります。テセウスはペルシア戦争のときにその姿を現し、勝利を導いたという話が残っています。紀元前475年にスキロス島を攻略した時にテセウスの遺骨収集が行われ、コロノスの丘のどこかに埋葬されたのでしょう、わかりませんが。
キモンがキプロス島でペルシア軍の反乱を押さえるために戦死した紀元前449年にこの神殿の着工がなされのでした。
コロノスの丘の上のヘーパイストス神殿の南の方に広い敷地もあって、北斜面の下の方にアフロディテ―神殿もあります。残念ながらアフロディーテー神殿遺跡は残っているようですが、ここからそれを見ることができません。
西側のメトープ
メトープとはドーリス式建築のエンタブラチュアのフリーズ中で小支柱 (→トリグリフ ) にはさまれた小壁面のことであります。
西側のメトープの彫刻にはケンタウロスの戦いが描かれています。東側のメトープの撮影を忘れてしまいました。東側にはヘラクレスとテセウスの彫刻が施されていた用ですが、次回にもう一度よく見てこようと思います。
この神殿内にはヘーパイストス神殿とアテナ女神像が安置されていましたが、長い月日のうちにどういう理由かは分かりませんが、無くなってしまいました。
神殿から教会へそして博物館となり、再びヘーパイストス神殿に!
7世紀頃から1834年まではアギオス・ゲオルギアス教会として使用されましたが、833年2月21日にギリシャ王オットー王の最初の受け入れ式典が行われ、その後1930年まで、考古学博物館となっていました。
現在は古代アゴラ内のの美しい神殿建築として大切に保管維持されています。
神殿西側に小さな古代墓地がありました。
ヘーパイストスとギリシャ文字では Ηφαίστος と記述し、
文字は古代も現代も同じです。
読み方はイフェストスと読みます。
ギリシャ語のH(h)の発音はイになります。
さらにギリシャ語で、火山は(イフェスティオ)Ηφαίστειοです。
ヘーパイストスはローマ神話ではウゥルカーヌス(Vulcānus)と呼ばれ、
英語圏だとヴァルカン(Vulcan)と呼ばれます。
そして火山のことはイタリア語ではヴルカーノ(vulcano)、
英語ではヴォルケーノ(volcano)と言います。
ヘーパイストス神は神々の中ではパッとしない男神ではありますが、まぁ人間に比べたら、神なので美しいにちがいありません。しかし妻のアフロディーテーの浮気相手が、母を同じくする兄弟のアレス神でした。なんだか気の毒だと思います。アレスは神々の中で最も長身で最も美しかった?らしいです。まぁ、アポロン神よりもハンサムだったのかなぁと思いますよ。神話を読むとアポロン神は好きな女性に嫌われることが多いように思いました。それに愛された女性たちも意外と不幸。
ヘーパイストス神の好みの女性はアテナ女神だったのですが、処女の女神だったので、遠くにあって思うだけでした。
最後的にはヘーパイストス神とアフロディーテー美神は離婚して、それぞれ幸せになったようです。
へーパイストスはリムノス島に大聖域がありました。その島のイフェスティオと呼ばれるところです。わたくしは行ったことがありますが、もう広々としていて、ひょっとしてここはヘーパイストス神の総本山だったの?と思ったほどです。
古代リムノス島の女たちはヘーパイストス神へアフロディーテー美神の仕打ちを怒って、信仰しなくなりました。すると美神はリムノス島の女たちに対して、悪臭を放ち男が寄って来ないという罰を与えたのです。なんか恐ろしい限りです。
多神教だといろいろ神様がいるので、心も体も身だしなみも学問も細かくあるので、全方位的に自分自身を高めていたのも知れないと思いました。
ほんとうにたくさんありますね。わたくしも大好きです。
古代宗教は面白いといつも思います。
神殿遺跡の場所へ行くのが一番楽しいです。