レスボス島 古代アンディサの海岸に流れ着いたオルフェウスの首 |
Λέσβος - Αρχαία Ἄντισσα
Lesvos - Ancient Antissa
アンディサはギリシャ文字で Ἄντισσαで、ラテン文字でAntissaと書く。
ギリシャ読みだとアンディサで、ギリシャ古典の日本語にはアンティサと記述される。
アンディサというのはレスボス島を最初に統治したマカレオス(あるいはマカール、マカレウス)という王の娘の一人という説と、マカラスの妻という説がある。まぁほかにも諸説はあるし、その後は古代劇作家や詩人によっていろいろ新しい説も創作されたりした。
アンディサに残る神話がある。
オルフェウスが妻エウリディケーを亡くしてから、すべての女性には目も向けずに、オルフェウス教を唱え、広めていた。このことはトラキア地方にいたディオニュオス神の怒りに触れ、ディオニュオス神の狂信的信女たち(マイナスたち=マイナデス)によって八つ裂きにされてしまう。そしてオルフェウスの首はへブロス(ギリシャ語エヴロス)河に投げ捨てられた。オルフェウスの首は歌を歌いながら、流れ流れて、エーゲ海に出て、レスボス島のアンディサの海岸に流れ着いた。そして島の人々によって懇ろに葬られてた。父なるアポロン神はオルフェウスの死を悲しみ、
それ以後のレスボス島にはオルフェウスの加護により多くの歴史的文化人を輩出された。アリオン(メティムナ)、サッポー(エレソス)、テルパンドロス(エレソス)、テオフラトス(エレソス)、アルカイオス(ミティリニ)、ミルシロス(メティムナ)、ロンゴス(不明)、他にも多く輩出しているのだが、、、最近ではではノーベル賞作家のオデュセアス・エリティスがいる。
おそらくオルフェウスの流れ着いた海岸はここかなぁと思い、アンディサの海岸に行ってみた。海岸のところに小さな岬があって、岬はぐるりと石積みが残っている。
海岸沿いには未舗装の道路あるのだが、車でもうろうろできるのだが、人っ子一人いない場所だった。2,3年くらい前まで、このひっそり感が良くて、のんびり過ごして伊熱田観光客も結構いたようで、レストランや民宿もあるのだが、今は営業していない。
この岬に残る石壁や建物跡は中世のものであるらしい。
古代遺跡は海の赤にあるという人もいる。実際にアクアラングをしている人たちがいて、そのようなことを言っているのだが、アクアラングして見に行かないとイカ寧見たいなのが、ちょっとなぁと思った。どうしたものか?
小さくカットされた石積みが残っているが、ここをよじ登ると、ボロボロと小石が落ちてきそうだ。
岬の反対側の海岸
上の写真の中に黒ぽちの部分があるのだが、それは村の高齢の女性のようだ。おそらく健康のためにちょっと海水浴でもという感じだった。反対側の石積みをもっと詳しく撮影したかったのだが、女性が泳いでいるのを激写していると思われると困るので、まぁ、岬の中のカストロ(城)を見ることにした。
この岬にあったカストロはオヴリオカストロという。
中世にジェノバ人専用の貿易港としたところである。このジェノバ人が消えてからここは廃墟と化していくのだが、大昔の古代とかになれば、おそらくここにその当時の灯台などが建設してあったとしても不思議ではないところである。
陸地側からの門はこんな感じで枯れ草がすごいことになっている。
カストロの中から撮影した門はなんだかゴジラのような形をしていた。
カストロ内に入り、目の前に道はなく、このような2メートルもある枯れ草が全体を覆っていた。困った。この枯れた草という草にはすべてが実にトゲトゲしい。もう衣服の上から刺される感じだ。おーやだ!
岬の上のカストロの先へ行きたいのだが、どうやら、高台に見える石積みの塊に二つが、めぼしい遺跡のようだ。まったくもうトゲトゲしい枯れ草に行く手を阻まれて先に行けないのがつらい。
まぁ、二つの塊の石積みのところまでは行けたが、その向こうは絶対無理。足場が見えない枯れ草トゲトゲだから、どうにもならない。誰かに船を出して岬の周辺を回ってもらうしかない!
岬というかカストロの中腹からアンディサを撮影した。
ここから古代アンディサの領域を見回すことができて、なんとなくいい感じだった。
古代アンディサ出身のテルパンドロス
紀元前7世紀前半にテルパンドロス(Τέρπανδρος/ Terpandros(Terpander)は詩人で竪琴(キタラ)奏者であり、ギリシャ古典音楽の創始者あるいはギリシャ古典音楽の父と呼ばれた。彼はレスボス島のアンディサに生まれ、その後デルフィの神託での指揮を任じられたり、スパルタのカルネア祭で優勝したこともある。彼はその生涯をスパルタで送る。カルネア祭というのは4年ごとに行われる音楽祭のことである。ある日、テルパンドロスはカルネアで見事な竪琴を演奏をしていると、聴衆の誰かが感謝してイチジクを投げてきた。そのイチジクで窒息死したという。
海の中に遺跡があるというのだが、そのような写真を見たことがないし、ネットにもあるらしいと書かれているだけなので、想像もつかない。
レスボス島には六つの古代都市国家があり、その国家名はそのまま地名として現在まで残っている。
実際に写真で見ることができて感激です。
このような場所なのですね。
彼が使っていた竪琴ですが
星座では「竪琴座」ではなく「こと座」となっています。
(ちなみに日本では星座名は「おおいぬ座」のように
感じではなくひらがなで書くが慣習となっています。)
オルフェウス神話の舞台はギリシアの北部ですし
オルフェウス教のように発展してしまうと、
エレウシスの密教と同じく宗教色が強すぎて
私は苦手です。
ご指摘ありがとうございました。そう言えば、竪琴座なんて聞いたことないなぁと思いました。
ギリシャ語のリュラというかリラを直訳してしまいました。
神話のようにそのような場所があって、いつも感動しています。
遺跡は海の中にもあるというのですが、今からアクアラングを学習するのは無理と思いました。
彼は父なるアポロンを唯一の神としていたようです。
詳細は勉強していないからわかりません。
わたくしは多神教でいろいろ神がいて、供え物をして、お祭りして、楽しいのが好きです。神々にに専門分野があっておもしろい。