古代ティラのアゴラ( サントリニ島) |
Σαντορίνη - Αρχαία Θήρα -Αγορά
Santorini - Ancient Thira(Thera) - Agora
古代ティラのアゴラはアルテミドロスのテメノスの次に現れる遺跡である。
岩山の斜面に細長くつながって古代のお店が並んでいる。
アゴラとは古代都市国家ポリスにおいて不可欠な場所である広場を指す。→アゴラ
現代ギリシャでもその言葉は使用され続けているが、その意味は市場或いはマーケットである。 そして「買う」の動詞はアゴラゾ(αγοράζω)で普通に使用されている。
アゴラの北側
古代はどんなお店があったのだろうか?
青銅細工職人の店、大理石職人の店、糸屋さん、布屋さん、食器屋さん、タナグラ風粘土人形店さん、油屋さん、ぶどう酒屋さん、豆屋さん、、。
古代人はこの辺りで買い物をしてぞろぞろ歩いていたのかもしれない。今は見学者がぞろぞろだけど、、。
古代アゴラは岩山の斜面にある。そして道の下の斜面にも何かあるようなのだが、入ることは禁止になっていた。偶然だったが、わたくしは上の道から本を落としてしまった。それでその中にちょっとだけ入らなければならなかった。
アゴラの道の下から撮影するとこのような感じで古代の商店街が撮影できた。
わたくしが進入禁止のところにいると、上の道のところのにいた見学者たちがやってきた。
わたくしは彼らに「進入禁止だけど、落し物をしたので、中に入っただけだ」と言うと、彼らは「気にしない気にしない」と言って写真撮影をぱちぱちしていたので、わたくしも、撮影した。
古代アゴラの北の商店通りを通過して、さらにアゴラの奥へ歩いていった。
アゴラに階段道があったが、ここは通行禁止。さすがにここは危なそうだ。階段道がではなく、その近くの壁の間から小石が落ちてきそうである。小石が落ちたら、次にどさっと壁が崩壊してきそう。
古代ティラのアゴラの広場の部分が出てきた。
お店もあるけれども、エキセドラや貯水槽がその中にある。
この周辺に王の柱廊、ディオニュソス神殿、劇場、公衆浴場がある。
やっと古代都市の遺跡らしいものにたどり着いた。
アゴラの南側
アゴラの南間で行かないと古代都市のすばらしい遺跡を見ることが出来ない。
難儀な道のりだったが、古代人にはケーキ1個の容易さかもしれない
貯水槽のようなところがあった。
古代アゴラの南側に来ると、その南隣が王の柱廊で、
階段道を西へ上がったところにディオニュソス神殿がある。
アゴラのエキセドラ
エキセドラの説明看板によると、
この建物はローマ時代の西暦1世紀から2世紀に建設されたものである。三つの神殿風な建物が並んだ状態にある。北、中央、南のそれぞれにはこのエキセドラを建てた人たちの名前がある。
北の建物には彫像台が残っていて、そこには二人の女性の名前があって、「ディオドロスのアルキス」と「テミストクレスのアルキス」とある。この二人は母と娘であろうと書かれていた。ディオドロスのアルキスという人は彼女の父はディオドロスということか、、テミストクレスのアルキスは父がテミストクレスで、母アルキスの夫ということか、、。
中央の建物には台座に張られた平板に三人の名前が残されていた。ディオニュソス神殿の神官であるディオドロスの息子ムナシクリタスとその妻カイロポレイア。そしてカイロポレイアの兄(或いは弟)のティベリウス・クラウディウス・キュレイナ・メドンである。
この建物から美しい彫像が出土した。その彫像は女神像なのだが、カイロポレイアの彫像と名づけられフランスのルーブル美術館に納められている。
南の建物には彫像台が残っていて、そこにエイメルトスの息子アリストファネスとその養父メレヒッポスのパンタクセノスの名前があった。
カイロポレイアの大理石像 Χαιροπόλεια Chairopoleia
カイロポレイア、ローマ時代のギリシャ語読みならば、ヘロポリア。
この彫像は実際はムーサイ(芸術の女神たち)の一柱で天文学を司るウラニア女神である。
ウラノスは空という意味で、天文学の女神はウラニアという。
この彫像フランスのパリのルーブル美術館まで行かないと見られない。あ~あ。
古代ティラの遺跡マップで最も詳しいのは駐車場付近にあった看板である。
あの地図が一番正しく詳しい。
アゴラからの出土品 サントリニ考古学博物館
アルカイック時代のライオンの彫刻 紀元前6世紀
アルカイック時代のコレー像 紀元前6世紀後半
アンテミオン(或いはパルメット)屋根の装飾 Ανθέμιον/Palmette 紀元前5世紀初頭
アンテミオンとはスイカズラの意味であるが、ギリシャ建築や美術においては花や葉の模様をいう。