ヘラクレス聖域 古代タソス |
To Iερό του Ηρακλή στη Θάσο
The Sanctuary of Herakles at Thasos
Νομός Καβάλας,Νήσος Θάσος,Λιμένας
Prefecture of Kavala,Thasos Island,Lemenos
ヘラクレス聖域は古代タソスの建築物の中で最も古いといわれています。
最初のこの聖域が着工されたのは紀元前7世紀とも6世紀とも言われています。
その後紀元前5世紀にも新築あるいは修理の跡があるようですが、
正確な資料はないのでそのうち資料を手に入れたら追記するつもりでおります。
タソスのヘラクレス
このタソスのヘラクレスというのは私たちの知る十二の功業を修めたアムピトリュオン(実父はゼウス大神)子ヘラクレスではありません。
歴史の父ヘロドトスによると、このタソスのヘラクレス神殿はフェニキアの王女エウロパを捜索ししていたフェニキア人がタソス島に入植して、彼らの建立によるもので、それはギリシャのアムピトリュオン子ヘラクレスが生まれる5世代以前のことである、と言っています。ヘロドトスもその調査のために、タソス島にやってきたことがありました。ヘラクレスは古い神であったことは明らかであるということです。
各地のまったく他人の神々がギリシャ神話を形成し、家族となって、ギリシャをひとつ世界、国として、まとめいったのかもしれません。考えてみれば、ヘラ女神などアカイアの大地母神で、ゼウスの妻にされてがっかりしているかもしれないと思いました。もしもアカイア人がギリシャ征服をしたら、今頃はヘラ女神が大神で、ゼウスは子供の一人として話が変わっていたかもしれません。そしてヘラの息子の軍神アレスは立派な神として、息子ではなく、女神の御側用人的な神になっていたかもしれません。なんとなく残念に思ったりします。神々をひとつの家族とするのに、詩人ホメロスのイリアスとオデュセア、そしてヘシオドスの神統記は大きな役割を果たしたと思います。
ヘラクレス聖域は現代の町の中にあります。まぁ、しょうがありません。それは時代の流れでしょうからね。
基礎部分がやっと残っているだけですが、ヘロドトスの歴史に書かれているとおり、タソスのヘラクレス神殿及びその複合建築物は残っていたのでした。建築物は紀元前7世紀からのものと紀元前5世紀の新築、建て増し、修復などがあります。
最初にフェニキア人がやってきて、後にパロス人が紀元前8世紀にやってきて植民地とししました。
そして豊かな都市国家タソスは形成されていきました。 その豊かさは対岸のギリシャ本土(カヴァラ周辺)殖民地と金鉱山を持っていたことにあります。その金鉱山はギリシャ本土のパレア・カヴァラのスカプティ・イリ(Σκαπτή Ύλη/Skapte Hyre )というところで、ヘロドトスの日本語訳にはスカプテ・ヒュレと記述されています。
タソスはペルシアがサラミスの海戦で敗れて、デロス同盟に参加しましたが、このデロス同盟というのは古代ギリシャ世界の国連みたいなものでしょうか?リーダーであるアテナイの強権乱用に苦しむ豊かな都市だったようで、その後、対岸ギリシャ本土の植民地及び金鉱山を失います。
古代タソスの遺跡を訪問するのにこの地図は素晴らしいと思いました。→古代タソス
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信仰されていた大地母神なのだそうですね。
女神を調べていると、それぞれの土地の地女神が
神話に組み込まれて変身したという説明に
いきつくことが多いです。
どこの社会でも豊穣多産を祈る気持ちが同じなのは分かりますが、征服した民族に組み込まれて地位が向上したのは興味深いですね。
私はアポロンの北方民族との関わりが興味深くて好きです。
後世の人たち、主に詩人たちが創作した神々の物語は芸術的に素晴らしいものですが、
各神を信仰していた部族、土地の人には、寝耳に水、と思った当時の人もいたかもしれません。
芸術的に高まっても、神格的に下がる場あるのでは?と思います。
アポロンもゼウスの子とされ、アルテミスと双子となってしまって、
驚いているかもしれませんね。
名乗らずに書き込みしてしまい、失礼しました。
>芸術的に高まっても、神格的に下がる場があるのでは?
↑
実際にそんなことがあるようですね。
下がった方が気の毒に思います。
もとはその地方の大切な方だったでしょうに。
しかし神々が人間のように或いはそれ以上に間違いをすることで、
品格が下がったように思います。これでキリスト教に付け入る隙を与えてしまいました。
たとえばポセイドンは海の神になっていますが、ペロポネソスの山中に神殿があります。
またドドニの人々は男神と女神の名前を知らずに崇拝していたようです。
その神々をゼウスとディオネと知ったのはホメロスのイリアスからかもしれません。
ヘラ女神やデメテル女神より、ずっと何百歳も年下の新入りの神を
夫にさせられたのは悲しかったかもしれません。
そして別に子供でもないのに産んだことにさせられたりたいへんです。
信仰が文学になってしまったのかなぁと思いますよ。