2010年 05月 24日
ムーサイ(ムーサたち)の小神殿 |
Ναϊσκος των Μουσών στην Άσκρα
Small Temple of the Muses at Askra
ヴィオティア(ボイオティア)県テスピエス共同自治体アスクラ・ムーサイの谷
Νομός Βοιωτίας,Δήμος Θεσπιέων,Άσκρα,Κοιλάδα των Μουσών
Viotia(Boeotia)Prefecture, Thespies Municipality,Askra,Valley of the Muses
テスピエス共同自治体の一部となっているアスクラというところがあって、
そこにムーサイ(ムーサたち/学問と芸術の女神たち)の谷と呼ばれるところがあります。
テスピエスは日本語の古代ギリシャに関する本の中にはテスピアイと書かれています。
ヘリコン山の麓にあるムーサイの谷で、小神殿を見つけることができました。
この小神殿を祭壇かもしれないと書いてある文献も多いですが、
私は小神殿のように思えました。
この小神殿は紀元前3世紀のものです。ヘリコン山の東斜面に位置しています。

ムーサ(Μούσα)というのは芸術の女神で、
現代ギリシャ語の複数形はムーセス(Μούσες))、
古代ギリシャ語の複数形はムーサイ(μοῦσαι)です。
ムーサイの谷は(Κοιλάδα των Μουσών=キラーダ・トン・ムソン)と書き、
トン・ムソン(των Μουσών)はムーサイたちのという意味になります。
現代古代で、日本語訳は入り混じって、もうどれにしようか悩みます。
現代ギリシャ語で音楽はムシキ(μουσική)、博物館美術館はムシオ(μουσείο)で、
ムーサ(Μούσα)から来ています。
英語だとミュージック(music)、ミュージアム(museum)などになっています。

この谷には2回目の訪問となります。
今回は必ず遺跡を見つけるぞ!と気合が入っていました。
誰も来ない道で、村人の農業用トラックが通過するのを持っていました。
どこに神殿があって、どこに劇場があるのか、地元の人に聞くのが一番です。
誰か来ないかなぁと思っていたら、一台の農業用トラックがやってきました。
神統記の作者ヘシオドスが現代人に身を変えたような村人に出会いました。
しゃべっている姿を身ながら、ヘシオドスの顔を思い浮かべました。
ヘシオドスの彫像に似た風貌をしていたので感動しました。
九柱の学問と芸術の女神たちの住む谷のその神殿の場所を教えてもらいました。

ああ、嬉しい!ああ、すばらしい!
やっとムーサイの神殿を見つけることができました。
道路からこの場所は小さく見えますが、どうやっていくか、考えました。
まっすぐ渓流を渡っていこうと思いましたが、途中で止めました。
いやぁ、、怖い! 蛇がいました。
望遠撮影にして行くのを止めようかな?!
古代劇場のほうからも行けるようでしたが、棘のある草が密集していて、
その上を歩くのはとても恐ろしいです。棘は針のように刺さります。
劇場のずっと下のほうで、渓流の上の道をとことこ歩くことにしました。
わたしの前に道はない
わたしの後に道はできる
高村光太郎の道程だったかな?
そんな詩があったような、国語の時間に勉強したような、
勉強嫌いでしたが、こんな時に、心に浮かびました。
わたしのところはぼくだったような、、。

小神殿の廃材が周辺に転がっていました。それらは草木の中にたくさんありました。
もう一度この周辺に行くことになっているので、その時はもっとよい写真ができます。
この日は曇りだったので、あまり上手に撮影ができませんでした。
何度行っても、楽しいです。この周辺に柱廊があったということで、いろいろ
あたりを散策しましたが、これといった柱を見つけることができませんでした。

壮麗に残った遺跡ではありませんが、このアスクラのムーサイの谷には、
古代劇場、小神殿、柱廊、、などがありました。
紀元前6世紀の頃から詩人や音楽家の祭典がこの地でありました。
その祭典はムーセイア(Μουσεῖα)と呼ばれ、5年に1度行われました。
そしてそれが最も盛んだったのは紀元前3世紀でした。
ギリシャ時代が終割ってローマ時代になりましたが、
ローマ皇帝の庇護もあって、祭典は続き、その祭典に演目も増えたということです。

小神殿周辺の廃材の中に模様が残っている石を見つけました。
なんだか、これだけで、嬉しくなりました。
この石の下のほうに渓流の流れる音がします。
そこまでちょっと下りてみました。プラタナスの木が2本あって、
その間をちょろちょろと水が流れています。
この渓流は簡単に渡れそうでしたが、蛇が出たら怖いので、渡りませんでした。

紀元前7世紀頃、ヴィオティア(ボイオティア)に住んでいたヘシオドスは、
この地を訪問しています。ひょっとしたら住んでいたかもしれません。
ヘシオドスも歩いたところを歩いているのだなぁ、、感動します。
古代ギリシャのムーサイ(ムーサたち)は九柱の学問と芸術の女神です。
九柱の女神たちはカリオペ、ウラニア、エーテルペー、タレイア、メルペモニ、
ポリュムニア、エラトー、クレイオー、テレプシコラ、です。
このムーサイの谷の小神殿は詩人、音楽家、学問をする人々たちの
崇拝地として繁栄し、ギリシャ世界の各地からの参詣者たちがやってきたことでしょう。
by lemonodasos
| 2010-05-24 08:35
| ヴィオティア県
|
Comments(10)
すばらしいですね!見つかってよかったです。貴重なお写真アップしていただきありがとうございました。私もブラブローナへ(もよりのバス停から)歩いて行ったときもめちゃくちゃ大変でした・・。神さまはいるんですね。
0
紀元前8〜7世紀、芸術の誕生の地。神話がそのまま場所に刻まれているのですね、アポロンやオルフェオのアルカディアもこの近くと言うことなのでしょうね。
ヘリコン山はキタイロン山と並んで神話によく登場する地名ですね。この二つの山は兄弟の名前をとった山でしたよね。
この神殿があった場所は広々としていて、緑の木々がきれいですね。きっと詩人たちもこの場を訪れていたことでしょう。古代の人々と同じ景色を私たちも目にできるなんて感動ですね。
この神殿があった場所は広々としていて、緑の木々がきれいですね。きっと詩人たちもこの場を訪れていたことでしょう。古代の人々と同じ景色を私たちも目にできるなんて感動ですね。
よこさん、遺跡の場所は交通網が良くないので、たいへんですよね。
ブラブローナは現在あいているのかどうか分かりません。
予算削減で閉めているかもしれません。外からは見えますが、
もしもあいていても2時までですから、たいへんです。
ブラブローナは現在あいているのかどうか分かりません。
予算削減で閉めているかもしれません。外からは見えますが、
もしもあいていても2時までですから、たいへんです。
レポレロさん、この場所はムーサイと詩人ヘロドトスで有名な場所です。
アルカディアはペロポネソス半島の中央にあります。
オルフェウス関連はギリシャの北のほうかと思います。
ギリシャのどこにでも神話があって、
春先はギリシャの小学校の児童たちが遠足していることもあります。
アルカディアはペロポネソス半島の中央にあります。
オルフェウス関連はギリシャの北のほうかと思います。
ギリシャのどこにでも神話があって、
春先はギリシャの小学校の児童たちが遠足していることもあります。
ん〜、懐かしい。あの時は、確かにトラックの運ちゃんがヘシオドスに見えてきましたね。



