セイレーン像3体 アテネ国立考古学博物館 |
紀元前370年のセイレーン像 所蔵番号774

ペンデリ山の大理石を材料としている。アテネの古代墓地ケラミコスから発見された。(ちなみにケラミコスはセラミックの語源)
セイレーン像は翼を上げ、亀の甲羅でできた琴を抱え、奏で、死者を慰めている。
右手は欠損しているが、おそらくプレクトラム(ピック)を持っていた。
サウンドボックスの穴のところに、青銅で弦を作り、そこに取り付けてあった。
彩色されていたので、身体の羽毛やその他細部に色が残っている。
古代のアテネ貴族デクシリレオス(Δεξίλεως/Dexileos)という人物の墓碑のそばにこのセイレーン像はあった。おそらくのちに彼の子孫が捧げられたものであろう。デクシレオスは紀元前414年に生まれ、紀元前394年に20歳という若さでコリントの戦いで没した。デクシレオスの墓碑のそばにセイレーン像が置かれた。デクシレオスの墓碑はケラミコス考古学博物館が所蔵している。
紀元前330年のセイレーン像 所蔵番号2583

このセイレーンの大理石像は紀元前330年にペンデリ山の大理石で制作された。
発見されたのはアテネの古代墓地ケラミコス(Κεραμεικός/Kerameikos)である。
セイレーンは上半身が女性で、下半身が鳥で、鳥足と鳥尾を持っている。
この嘆く姿をしたセイレーンはは死者の墓に飾られていた。
左手の部分が頭髪のところに残り、縮れた髪は縛らずにそのままおろしている。<その若々しい身体をそらし、頭部を傾けている事で、セイレーンの嘆きがドラマテッィクにかもし出されている。可愛らしい顔をしたセイレーンが印象的だ。
紀元前330年から320年頃のセイレーン像 所蔵番号225

ペンデリ山の大理石を材料としている。
セイレーンは左手に亀の甲羅の形をしたたリュラ(竪琴)を抱え、
右手のプレクトラム(ばち)でメロディーを奏で、死者を哀悼している。
両翼は欠損している、肩のところに翼の跡が残っている。
両足は石膏でつないで復元されている。