古代アルカディアの都市国家プソフィス |
Ancient Psophis ... Psofis was an ancient city-state of Arcadia
古代アルカディアにプソフィスという都市国家があった。
現代ギリシャではプソフィスはアカイア県カラヴリタ市にプソフィダという地名となって属している。アカイア県カラヴリタ市のHPにプソフィダ(Ψωφίδα/Psophida) 村のことが載っていた。参考資料として役に立った。
西暦2世紀のパウサ二アスは旅行記の中で古代プソフィスについて記述している。その頃はプソフィスの古代都市、エリマントス神殿(エリマントス川の神)、アフロディーテー大聖域、アルクマオーンの霊廟があったようだ。
古代都市プソフィス関連の遺跡
①プソフィスの古代都市の廃墟は残っているのだは、主要な公共建築物の位置が分からない。まだ発掘中なのかな?
②エリマントス神殿はどこにあるのかわからない。都市遺跡はエリマントス山のふもとにあり、都市の脇をエリマントス川が流れているのだが、エリマントス神殿が残っていない。まだ発見されていないのか、あるいは消えてしまったのかな?
③アフロディーテー大聖域は古代都市プソフィスの管轄下で、アフロディシオ山の斜面に広範囲で残っている。アフロディシオとはアフロディーテーの神殿或いは聖域という意味。山の名前はおそらくアフロディーテー女神から来ている。山を含めての大聖地であった。まるでアフロディーテーの本山かな?と思うほどであった。ちなみに正式名称はアフロディーテー・エリキネー聖域という。ギリシャ語の発音ではアフロディティ・エリキニである。ギリシャ文字にすると、Αφροδίτης Ερυκίνης (大文字 ΑΦΡΟΔΙΤΗ ΕΡΥΚΙΝΗ)と綴る。現在はこの場所はアルカディア県の中に属する。
④アルクマオーン霊廟 発見されていないが、パウサニスの旅行記のアルカディア編に記述されている。
遺跡内を歩きまわった。風がビュービュー吹いていて、いい気持ち。
都市の中には積石や建物の基礎部分が残っていた。古代都市の計画としては、議事堂、神殿、アゴラ、柱廊、劇場、競技場などがあッったはずなんだけど、それでも都市の中を歩くと、神話の世界に迷い込んでしまいそうだ。周囲にエリマントス山とエリマントス川である。森の中を流れるエリマントス川を見ると、本当に川の神エリマントスがそこにおられるような神々しさがある。すばらしい。
古代建築物が上物がほぼないのは、次世代の建物に再利用されたからである。さらのキリスト今日の台頭により西暦4世紀から7世紀の初期のキリスト教会のバシリカという建築物に再利用されたのだった。現在ギリシャではこのプソフィスはアカイア県カラヴリタ市の管轄の村プソフィダで、カラヴリタ市やその周辺には立派な修道院や教会がたくさん残っている。古いギリシャ正教の教会建築に廃材が使用されている。
プソフィスの地名の由来 神話或いは伝説
その1.古代アルカディアの初代王リュカオンの50人の息子のひとりであるプソフィスが建設した古代都市であるという説。
その2.この地域で、ヘラクレスはエリマンスの猪を殺し、その偉業を称えてシチリアの西部にあったの王エリクスの娘プソフィス(プソフィダ)を連れてきて、ヘラクレスとプソフィスを結婚させて、子供たちはプロマコスとエケフロンという二人の息子が生まれ、エリクスの娘の名前をにちなんでプソフィスという都市名となったという説。ちなみにエリクスはアフロディーテー女神の息子である。
神話や伝説の中には、プソフィスと名を持つ同盟異人が数人ほど出て来る。
この場所が神話の英雄ヘラクレスがエリマントスの猪を退治したところだ。
すばらしい。本当に神話と同じ。ビュービュー風が吹いていて、いい感じ。
シチリアの北西部の古代都市エリクスの王エリクスがヘラクレスの偉業を称えて、
娘のプソフィスを連れてきて、ヘラクレスと結婚させたのである。
エリクスは母はアフロディテ―女神、父は人間のブテスという。
ヘラクレスはあちこちに妻を持ち、子をなし、その息子たちはギリシャ世界の都市国家の王の血筋となった。例えばマケドニアの王族はヘラクレスの一族でアレクサンドロスもその血筋であるが、母はオリンピアスはイピロス王族出身でアキレウスの血筋である。ちなみにアテネ市民だった哲学者ソクラテスの部族(家系一族)はヘラクレスとミダ(メダ)の子孫である。
地面に残る石積み、建物基礎部分が何かはわからないまま、草むらの中に散らばっているのだが、まぁ神話のような風景がそこにあった。
古代都市国家プソフィスはプソフィダ村となり人口279(2011年の調査)である。
人口減少は寂しいことだが、古代の名残を残っていることはすばらしい。
おそらくその教会も、村人の家の一部も、昔々の石づくりなので、大昔の人が、都市遺跡から持ってきて使っているかもしれない。大昔だったら、都市の中の自分の家の積み石を運んで、再利用しても、誰も文句は言わない。
いつか行ったときは村の中もよく見て、村人とも話をして、村のカフェでコーヒーも飲んでみたい。
城壁
古代都市を囲むように壁がめぐらされていた。お城の壁というのではなく都市の防衛壁といった方がいいのかな?このような壁がぐるりと都市を囲み、住人はその中で安全に暮らしいた。安全な暮らしはこの都市を統治する者の責任である。
この都市の城壁から外へ出るのは野良仕事や放牧や物流があるからだ。
自分の保有する農地の中に小屋を建て農作業をしたり、羊や山羊や牛の放牧をしながら山や森や川沿いを歩いて仕事をする人がいたりしていたのだろう。
今も古代と同じ風景が広がっている。
しか~し、白人系の人で、ギリシャ人でない場合も会ったりする。ギリシャの山奥の農業や放牧の作業員として働いていて驚くことがある。私は何度も経験している。
春になると、村の人口が2倍くらいになる。
復活祭というキリスト教の行事があって、ここで生まれた人たちが戻ってきて、キリイストの復活を祝うのだ。羊の丸焼きを庭で焼いて、その周りでギリシャダンスでも踊るのかもしれない。田舎に故郷のある人は楽しみにしているだろう。
キリストの復活に合わせて、ギリシャ人は身も心もきれいにして準備をする。
復活祭の一カ月以上前(40日くらいあるかも)から、動物性の食品は食べない。
ギリシャ風な精進料理のようなニシティシマと呼ばれる食事するのだ。
例えば豆のスープのようなものを食べる。動物性なので、ミルクもチーズもだめ。しかしながらギリシャ正教のお坊さんは、子供や病気の人や年寄りはそういうことをしなくてもよ、と言っている。聖職者以外は考えて行うようにとのこと。
プソフィスを流れるエリマントス川 Ερύμανθος ποταμός Erymanthos river
いつか、エリマントス神殿が見つかって、お参りに行けたらいいなぁ。
ギリシャ風の古い太鼓橋の下をエリマントス川が流れている。
パウサ二アスのアルカディア編がある。
グーグル翻訳で、日本語訳にて読んだが、その部分は人の名前が多くて、もう名前だらけ、日本語にしても、その人たちがわからないので、まったくわからない。
しかしながら、よくよく読んでみたら、プソフィスの大切な部分はこれだけ⇒都市遺跡、アフロディーテー・エリキネー聖域、エリマントス神殿、アルクマオーン霊廟があったということだった。
動画 ロードスの猫さんたち
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古代アゴラの奥の方にアーモンドの花が咲いていました。桜のような花ですが、ちょっと大ぶりな感じ。それからアテネのプラカの古民家の庭にブーゲンビリアが咲いていて美しいです。 今年も美しい花を見ることができました。
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