馭者像 デルフィ考古学博物館 |
Ο Ηνίοχος(Το χάλκινο άγαλμα του Ηνίοχου)
The Charioteer(The Bronze Statue of Charioteer)
デルフィ考古学博物館
Αρχαιολογικό Μουσείο Δελφών στην Φωκίδος
Delphi Archaeological Museum at Fokida(Phokida)
有名なデルフィの馭者像はギリシャ彫刻の中の最も美しい作品の一つである。
紀元前478年から紀元前474年の間に制作されたもので、アポロの神殿の北で発見された。その高さ1.82メートルある。
この像を奉納したのはシケリアの都市国家ゲラ(ギリシャ語Γέλα /イタリア語 Gela=ジェーラ)の僭主ポリザロス(Πολύζαλος /Polyzalos)である。
この馭者像をはピューティア大祭での戦車競技で勝利を決めた後の姿を表現している。
ロストワックス鋳造という方法で制作されている.
→ロストワックス(wikipedia) ロウで原型を作り、周りを鋳砂で覆い固め、ロウを溶かして除去することによってできた空洞に金属を流し込むと鋳物ができる。
衣服の美しいプリーツの曲線がすばらしい。
顔の作りを見ると目には半貴石とガラスが使用されている。
髪の毛ヘアーバンド、口元、そしてまつげもきれい付いていて精巧にできている。
デルフィ考古学博物館には制作された当時の復元図があった。
戦車の馬は4頭立てで、その前に馬を世話している人間もいたようだ・
馭者像には碑文があった。ポリザロスの名前が読み取れる。
Επιγραφή(エピグラフィ=碑文):
-----Π ]ΟΛΥΖΑΛΟΣ Μ ΑΝΕΘΗΚ[ΕΝ---Ι---] -]
ΟΝ ΑΕ ΕΥΩΝΥΜ ΑΠΟΛ[ΛΟΝ]
見たような覚えがあります。
でも今こうして見ると、ブロンズ像なのに
ここまで作れる技術の高さに驚かされます。
先月『イリアス』を読みなおしたのですが
トロイア戦争では武器の基本が(青銅の)槍でした。
しかも青銅の部分は矢じりだけで、他の部分は木なんですよ。
槍全体を青銅で作るだけの技術がなかったのか
それだけの青銅がなかったのか、どうなんでしょう。
ちなみにこんな状態の槍ですから
相手を突くのではなく、槍を投げるのが攻撃方法の基本でした。
だからオリンピックにやり投げという種目があるのだと
『イリアス』を読んで納得できました。
後姿は大切です。後ろのキトンの素材感やら、結び紐の美しい味わい、
そして頭部に結んだヘアーバンドというかリボンというか紐が素敵らしいですが、
撮影忘れました。