Αργος その1 アルゴスの古代遺跡と神話 |
アルゴスはギリシャ最古の都市すなわちヨーロッパ最古の都市です。
古代都市国家がどのように創立されたかを書こうと文献を紐解いていくとかなり難しい問題があります。それは創立者つまり古代王国の始まりを作った王というのは神の子孫ということななっているからです。たいへん文学的で面白ですね。
つまり王たち偉業を称えて、のちに神格化されたのかもしれません。私は実際にそういう人たちがいたのかもしれないと思っています。そしてその王たちを神々の子としたのです。
ギリシャ神話は神話にしてはそのまま遺跡があったりして事実かもしれないと空想できて楽しくなります。ギリシャ英雄をさかのぼるならば、大神ゼウスまで行ってしまうことがあります。
ギリシャ神話の中のアルゴス
ファロネアス王とその一族
アルゴス王国はこのように始まりました。
最初の王はフォロネアス。川の神イナホスと妖精メリアの息子でした。ファロネアスはアルゴスの守護神にヘラ女神を選びました。
ファロネウス王に美しい娘ニオベがいて、大神ゼウスに愛され、アルゴスという息子を産みます。アルゴス王の後には5代続きます。全部でファロネアスの王朝は7代続きました。ギリシャ神話の系図表にしておけば分かりやすいかもしれませんね。あくまでも神話の上でのことです。
ダナオスとその娘ダナイデス
平和は続きましたが、アフリカからリビア王ダナオスが侵入してきます。
ダナオスはエジプトを中心にアフリカを支配する王ベロスと川の妖精アンキノエの息子でした。ベロス王は双子の息子のアイギストス(エギプトス)にエジプトを、ダナオスにリビアを与えました。
しかし領土拡大の野望持つアイギプトスにアフリカを追われたダナオスは50人の娘たち(ダナイデス)を連れてアルゴスに逃亡して来ました。
ダナオスとアイギプトスは母親の胎内の中でも、口論ばかりしているほど中が悪い兄弟でした。アイギプトスという名前は現代ギリシャ語だとエギプトスで、ギリシャ語で、エジプトはエギプトと言います。
アイギストスはアルゴスまでダナオスを追いかけてきました。話し合いでアイギストスの息子50人とダナオスの娘50人を結婚させることになりました。
それでダナオスは娘たちに新婚の初夜に、アイギストスの息子たちを殺すことように命じました。この所為で娘たちは冥界のハデス神から罰を受け、穴の開いた樽に永遠に水を汲むことになりました。
50人の娘たちの中で、長女のヒペルムメストラは夫のリンケウスを見逃してしまいます。このリンケウスがアルゴスの王になり、ヒペルムネストラとの間に生まれたアバスが次の王になりました。どこでどう繋がるのかは分かりませんが、神話なので年代とか年齢とかを考量することは出来ません。
ダナエとペルセウス
アルゴス王アバスはアグラエアという女性を妃にし、アクシリオスとプロイトスという双子の息子を持ちましたが、彼らは母親の子宮にいるときから口論をしていました。アルゴスを分割しアルゴスの地方をアクシリオスが、ティリンス地方をプロエトスが取りました。
アクシリオス王が戦いに勝ってアルゴスを治めます。王妃はエウリデケというスパルタの王女です。2人の間に美しい娘ダナエが生まれます。しかし神の神託で「アクシリオス王は娘の生む男子に殺される」と出てしまいました。それでダナエを青銅の塔の中に入れてしまいます。しかし黄金の雨に変身したゼウスと交わってペルセウスを生んでしまいます。それでダナエとペルセウスを箱に入れてエーゲ海へ捨ててしまうのでした。
エーゲ海のシフノス島の王はダナエに一目ぼれしますが、ペルセウスが邪魔なのでメドゥサ退治を言い付けて所払いしてしまいます。アテネ女神の助けでメドゥサを退治して、母のところへ戻る途中エチオピアの海岸で岩に縛り付けられていたアンドロメダ王女を救出して、のちに結婚しました。
アルゴスへペルセウスが戻ってくると知ったアクリシオス王はテッサリアへ出奔し、そこで行なわれた円盤投げを見ていました。すると偶然に参加していたペルセウスの円盤に当たって絶命してしまうのでした。ペルセウスはトロイ戦争が始まるはるかな昔の英雄になります。彼は祖父を殺してしまったのでアルゴスを継承しませんでした。祖父の双子の弟ティリンス王プロイトスの息子メガペンテスにアルゴスを渡してしまいます。
ペルセウスは古代都市国家ティリンスとミケーネを建国して行きます。まだまだトロイ戦争が始まるずっと前の話ですが・・・。ペルセウスの子孫にヘラクレスが出ています。
ディオメデス
ペルセウスが手放してからの都市国家アルゴスは波乱万丈の歴史が繰返されました。これが本当の話かどうかは分かりませんが、神話にしては詳しいなぁと思ったりします。
ペルセウスの祖父の双子の弟のティリンス王プロイトスの娘たちがヘラ(あるいはディオニソス)の呪いで狂気にされてしまい、あちらこちらをさ迷っていた話が伝えられます。プロイトス王の妻ステネビエは英雄ベレロフォンを愛してしまったりといろいろあるのです。
その後、ホメロスのイリアスに出てくる英雄ディオメデスが登場します。イタキ王オデュセウスの忠実な友だちでしたが、トロイ戦争から帰ると、王座を追われてイタリアへ亡命したようです。そこに新しく国を作ったとか、あるいはそこでも不幸せになったとか…。このあたりがハッキリしないので困ります。まぁ神話なので…。
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