トラキアの騎士のレリーフ3枚 |
何か宗教的なものが込められているようで、古代バルカンの神話だの、サバジオスというフリギア人とトラキア人の天の父であるとか、インドヨーロッパの神話に関係しているとか、研究書を読んだことがないのでわかりません。トラキア人というのはスキタイ人やダキア人の住んでいた周辺にも古代ギリシャ時代から住んおり、トラキア人が北方にスキタイ人やダキア人の住む周辺から来て、豊かな都市国家アブデラに来て略奪をおこなった話があります。トラキア人は現在の東ヨーロッパ、黒海周辺、アジアに広範囲に住んでいたようです。
さて、そのトラキアの騎士なんですが、説明プレートも統一がなくて困りました。
3枚のトラキアの騎士のレリーフの共通点は蛇も一緒に描かれていることです。
ギリシャ語ではΤράκα Ιππέα(トラカ・イッペア) 或いはΘραξ ιππεύς(トラクス・イッペフス)とあり、英語ではTracian Horseman或いはThrakian Riderとありました。
小さな博物館に展示されたほぼ同時期のレリーフに一貫性がないのがいかがなものか?と思いました。
その意味に大差はありませんが、日本語にしたら、騎士、騎手、馬乗り、馬に乗る人、なんですけど、わたくしは翻訳とかうまくないので、その辺のところで毎回悩んだりします。
①年代不明 マクシミアヌポリのトラキアの騎士
Τράκα Ιππέα(Μαξιμιανούπολη) /Tracian Horseman(Maximianoupoli)
コモティニ博物館の門のところにはマクシミリアヌポリの騎士のレリーフにコピーが飾られていました。
マキシミアヌポリという名前はローマ時代の皇帝ガレリウスの甥マクシミアヌス・ダイアという人物の名前から取って付けられた地名であります。ビザンティン時代のマクシミリアヌポリの遺跡には行けなかったのですが、場所はコモティニから西に7キロメートルのところにあります。
マクシミリアヌポリはギリシャ語でΜαξιμιανούποληですが、
古代の地名は複数形を取っていたのでマクシミリアヌポリスΜαξιμιανούπολιςで使われていました。
②紀元前1世紀 ガリニのトラキアの騎士(イアソン・イルス)のレリーフ
Τράκα Ιππέα ΙΑΣΟΝ ΗΡΟΥΣ(ΓΑΛΗΝΗ)
Tracian Horseman Iason Hrous (Galini)
ガリニという場所はギリシャのトラキア地方の北にあります。レリーフの平らなところにΙΑΣΟΝ ΗΡΟΥΣ=イアソン・イルスと書かれています。意味はアイボーに聞いたところ、イラの癒し或いはイラのイアソン、イラはヘラのこと、らしいのですが、、。
イアソンといえばイアーソンという魔女メディアの夫を思い出しますが、、
イアソといえばギリシャのアテネの病院の名前で、医神アスクレピオスと女神エピロネの娘女神たちの一柱イアソーがいます。この女神は癒しの女神です。日本語と意味と発音がかぶりますね。
古代人の名前としては男性系がイアソン、女性系がイアソーです。
③年代不明 マロネイアのトラキアの騎士のレリーフ
Θραξ ιππεύς/Thrakian Rider Μαρώνεια/Maroneia)
マロネイアのトラキアの騎士のレリーフは衣の感じがよく出ていますね。
これから地方の博物館を訪問するときはトラキアの騎士もきちんと見てこようと思いました。
お手間をかけて申し訳ありませんが
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