エゴステナ(アイゴステナ)の城塞 その1 |
Το Φρούριο των Αιγοσθένων 1
The Fortress of Aegosthena 1
アッティカ県ヴィリャ市ポルトゲルメノ(エゴスティナ)
Νομός Αττικής, Δήμος Βιλίων,Πόρτο Γερμενό(ή Αιγόσθενα)
Attica Prefecture,Vilia(Bilia)City,Porto Germeno(or Aigosthena/Egosthena)
アイゴステナの城塞はギリシャ古典時代の紀元前4世紀の間に建設されされたもので、
少なくとも紀元前4世紀、おそらく紀元前343年には完成していたようです。
この場所はコリンティア湾に面しています。
この遺跡の見取り図はここにあります。→ウィキペディアのアイゴステナ英語版の地図
この場所はアテネとメガラの間に建てられたものです。
ギリシャ古典時代はメガラの領土でありました。
紀元前323年にテーバイに敵対するメガラはアテネと同盟関係を結び、
ここにアテネの守備兵が配置されました。
紀元前243年から紀元前242 年のころはでのアカイア同盟の支配下にありました。
ギリシャ文化省のサイトを読んでいたら
古代アイゴステナの繁栄は実はこの城塞が建つ前からのようでした。
それは紀元前1500年から紀元前700年まで栄えたということなのですが、
いったいどこの資料にあるのか、まだ読んでいないので、調査中です。
下の写真は海側の平地から撮影したものです。
平地にも塔がいくつか残っているのが見えます。
そしてアクロポリスの右上に見えるのは南東の塔です。
アクロポリスの城塞は北東から南東に続いています。
中央の白い教会はビザンチン時代の聖ゲオルギオス教会です。
この白い教会の後ろには11世紀にフランスからやってきたのカトリック修道士たちの
住居としていた建物が残っています。
アクロポリスを上り東へ下りました。そして南東から北東を撮影しました。
半分キテロン山が写っています。
この写真は北東のアスファルト道路から撮影した全体像です。
アイゴステナのアクロポリスは海から450メートルあって、
高さは42メートルの丘の輪郭に沿って城塞が築かれたました。
規模は長さ190メートル、幅80メートルです。
アイゴステナはギリシャ語で書くとΑιγόσθενα、
ラテン文字で書くとAigosthena 或いは Egosthena(エゴステナ)です。
古代はαι(ai)の部分はアイと発音したのでしょうが、
いつごろからかαι(ai)の部分の記述は同じでもエ(e)と発音するようになりました。
オランダ人のエラスムスという人の解釈により広まった間違いもあるとのことです。
長年に渡って、そのままになってしまったところもあるらしいです。
イギリスのBBCにおける古典ギリシャ語読みは
ギリシャとイギリスのギリシャ古典の学者の
監修が入っていて、ドキュメンタリーの中の読みは、エ、です。
それはさておき、現代ギリシャではエゴステナ或いはポルトゲルメノと言えば、
この場所のことだと、ところの人々はわかるでしょう。
南東の塔
聖ゲオルギオス教会とフランスカトリック修道士たちの住居跡
南東の塔のそばにあります。この住居というかアパートメントのような建物で、
修道士の個室がいくつも残っています。
遠くフランスから数十人の人々がやってきて修行をしていたのでしょうが、
地域住民のギリシャ人でカトリックに改宗した人は人はいなかったようです。
これらの建物は古代アイゴステナの廃物利用で建てられたものでありましょう。
後ろに見える山はキタイロン(キテロン)山です。
守備兵の門
ここは聖ゲオルギオス教会とフランスカトリック修道士たちの住居跡のすぐ北にあります。
アクロポリスから見たコリンティア湾
このアクロポリス内には山羊の群れがいてのどかです。
このあたりに古代の神殿が二つあったようなのですが、どこにあったのかわかりません。
ひとつはヘラクレス神殿、そしてもうひとつはメランプウス神殿です。
北門
平地の城塞の間に残る北側に残る門です。ここから出入りするのは大変なので、
城壁を北に向かって歩いていくと良いでしょう。
平地の城塞
北門のそばの塔をいくつか過ぎて、ちょっと歩くと、小さなギリシャ正教会にでます。
初期キリスト教のバシリカ教会 聖テオトコス教会
どうもこの教会辺りに古代メランプス神殿があったとパウサニスが書いています。
神話によるとメランプス(Μέλαμπος/Μελάμπους /Melampus)は占い師、予言者でした。
アミュンタオン(Ἀμυθάων/Amythaon)とペレースの娘エイドメネーの息子です。
詳しくはこちらの資料をどうぞ。→ メラムプース
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投票いただき、まことにありがとうございました。
(面積の狭いせいか)日本には少ない「低木の丘」が
ギリシャにはたくさんあるんですね。
こんな豊かな場所を散策するだけでも気持ちよさそうな似に
好きな遺跡の中ならなおさら嬉しいでしょうね・・・
体力は必要そうですけど(笑)
オリーブの木は高くしないで収穫できるようにしています。
こういう岩の丘にアクロポリスができるのです。
そしてその丘の石を利用して城壁にしたようです。